2011年06月21日

天気予報図のなかの南沙諸島、尖閣諸島、竹島、北方領土

昨今、中国とベトナムの間で、南シナ海での領有問題に関する紛争が熱くなっている。
西沙諸島などの領有をめぐる紛争だ。
中国が南シナ海で主張している境界線は下の地図の赤線のとおり。
西沙諸島(パラセル諸島)だけでなく、はるか南の南沙諸島(スプラトリー諸島)まで含む広い領域。

南沙諸島中国の主張.gif


中国側が目論むのは海洋資源の確保。
そのために、フィリピン、マレーシア、ベトナムの近隣まで迫る、南シナ海の海洋資源を舐め取る舌のような境界線を引こうとしている。


この長い舌のような境界を主張するために、中国は、南シナ海の環礁の岩に足場を架け、人を常駐させて、島として領有を主張している。
領有する島があれば、その周囲に領海と広大な排他的経済水域が発生するからだ。

たとえば下の写真がそう。フィリピン沖の中沙諸島にある小さな岩。
この岩のことを、中国は「黄岩島」と呼んでいる。
人が居住できるので、岩ではなく島だというのが中国の言い分。

岩.jpg


ちなみに中国は、日本の領土である沖ノ鳥島を「島ではなく岩である」と主張し、沖ノ鳥島を中心とする日本の排他的経済水域を否定している。
しかし、どうみても、この写真の「黄岩島」のほうが「岩」っぽい。


天気予報図

さて、この稿の目的は、各国の領有の主張の当否を考えることではない。
もっと卑近な話。

中国で生活していると毎日テレビや新聞で目にする天気予報図。
そこには、中国全図が描かれている。たとえば、下のように。
これは、中国気象局のホームページにある天気図。元の図では、地名にカーソルをあてると同地の天気が表示される仕掛けになっている。

中国気象局.JPG


この天気予報図の、左下の四角い囲みを拡大するとこうなる。

中国気象庁.JPG


一見して、南沙諸島の概略図とわかる。
ちなみに、この四角の中の島々にカーソルをあてても天気は表示されない。つまり、天気図としては実質的な意義はないのに、ここに表記されているわけ。

中国のテレビや新聞の天気予報図には、すべてこの四角い囲みが描かれている。
このようにして毎日、さりげなく、対外的主張と国民教育をしているわけだ。


尖閣諸島

さて、次に、台湾の右上を見ると、2つの小さな島が描かれている。

尖閣.png


ここにあるのは何かというと、勿論、尖閣諸島だ。

尖閣諸島.JPG



韓国も

お隣の韓国の気象庁ホームページにある天気予報図は下のとおり。

韓国気象庁原語.JPG


GOOGLEで日本語に翻訳すると、

韓国気象庁.JPG


右上に、「独島」の2文字が見える。
韓国名「独島」は、勿論、日本領「竹島」のこと。

独島.jpg

軍隊が駐留しているだけの島の天気など、報じる実益はほとんどない。
独島という地名を天気予報図に記載すること自体が、唯一の目的なのだろう。



日本の場合

では、日本の気象庁はというと、こんな感じ。

日本気象庁.JPG


一応、北方領土が描かれてはいるが、地名の記載はない。
尖閣諸島や竹島があるべき場所には、何の記載もない。

縮尺の関係で記載不能なのかもしれないが、あの小さな中国全図の中に2つの小島を記載し、さらに南沙諸島まで記載してしまう中国や、軍隊が駐留しているだけの竹島(独島)の天気まで記載してしまう韓国のやり方と比較すると、やる気ないなあ、と思うのだ。





posted by 陳ゆう at 00:15 | 雑記帳 日中関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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