2005年02月26日

愛用の旅行ガイドブック・中国

旅行をするとき、私はたいていガイドブックを2冊持っていく。
1冊のガイドブックが対象としているエリアは結構広い。たとえば「地球の歩き方」で言えば、中国を8つ程度のエリアに分けているに過ぎないので、ひとつひとつのエリアは結構広大だ。当然、対象エリアのすべての街をカヴァーすることは不可能だ。だから、どこかに行くときには、その地域が掲載されているガイドブック(編集方針の違うもの)を2冊は持っていく。


ガイドブックと言えば、なんと言っても「地球の歩き方」が有名。私も、よくお世話になっている。ただ、この本の信頼性に疑問を持ち、実は「地球の迷い方」であると悪口を言う人もいないではない。
確かに、すべての情報が最新というわけではないし、また、特に途上国の場合は色々な状況が不安定なので、実際に現地に行ってみなければ判らないことも多い。

ただ、個人的には、ガイドブックにあまり正確さを要求するのは酷であると思う。ガイドブックは家電製品のマニュアルとは違う。現地のおおまかな情況が判れば、それで十分。そして、辺境の地に一人でいるときには、その程度の情報であっても、神託に匹敵するほどありがたい。

私が昔からよく使っているガイドブックは、あまり有名ではないのだが、JTBが昔から出している「中国自遊自在」という本である。
JTBが出しているというと、いかにもヤワな感じがするが、この中国版に限って言えば、かなり硬派である。

この本のすごいところは、わずか1冊(私が持っている第2版で510頁。今調べたら第7版では655頁に増えている)で中国全土を網羅しているにもかかわらず、思わぬマイナーな街が1ページを使って記述されていたりすることだ。

たとえば、「ゾルゲ」という街をご存知だろうか?
四川省と甘粛省の境にある街である。四川省の成都からバスで2日かかる。標高4000メートルくらいのところにあり、小さな街の周りは草原しかない。あとは、何もない。
そんな辺鄙な街が、世界遺産である九寨溝と同じ1ページを費やして紹介されている。

また、「黒河」という街をご存知だろうか?
黒竜江省の省都ハルピンから汽車で14時間ほど北上したところにある小さな街である。アムール川に面しており、対岸はロシア、つまりシベリアである。冬はマイナス30度以下となり、10分も外にいると耳が凍りそうになる。
この街も丸々1ページを使って、地図、写真つきで紹介されている。

JTBのガイドブックを買う人が、「ゾルゲ」や「黒河」になど行くだろうか? 
編集者の個人的な趣味以外の何物でもない。しかし便利である。
おそらく編集を外注しているに違いない。その外注先に、たまたま、かなりバックパッカー系の編集者がいたということであろうと推測される。

実は、私が中国に来るにあたり、持ってきたガイドブックがこれだった。日本の書店で偶然見つけて、何の考えもなしに買ってきた。そのころの私は、中国の観光地と言えば、万里の長城、桂林、西安の兵馬俑、敦煌、くらいしか知らなかった。ところが、この本のせいで、私は辺境旅行ファンになってしまった。
すでに表紙はボロボロになり、テープをベタベタ貼って何とか本の形態を維持させている状況だが、まだ手放せない。私の人生を変えた本である。

私が持っているのは1997年版だが、今でも十分役に立つ。どうせ本当のところは実際に現地で確認するしかないので、ガイドブックとしては1997年版だろうが2005年版だろうが、大した違いはない。
私は通常、この本と「地球の歩き方」の当該地域版を持って旅している。


さて、もう一冊。
チベット文化圏、つまり、チベット自治区、青海省、四川省西部についてはバイブルがある。「旅行人」という出版社が出している「チベット」(第4版)というガイドブック。この本は、出版当時ちょっとしたセンセーションを巻き起こした。とにかく詳細である。旅行者だけでなく、学者などからも絶賛された。

青海省や四川省の西部地域には、最寄の都会からバスで何日もかかる小さな街が沢山ある。そういう街に行く途中には、日本人の想像を超えたスケールの景色がある。チベット自治区に行けば、更に現世離れの程度が高くなると思われる。この本は、そういった場所に実際に行った人達から集めた膨大な情報の集大成である。
たとえば、(私はまだ行っていないが)黄河源流への行き方について、実際に行った人の経験を基に、地図つきで詳細に記述しているガイドブックなど、日本には他にない。
私はこの本を持って四川省の奥の方を旅したが、確かに役に立つ。

なお、そのほか、シルクロードに行くなら、同じ「旅行人」が出版している「シルクロード」が一番詳しいのではないかと思う。
この「旅行人」という出版社は、とにかく辺境のガイドブックに関しては間違いなく日本一である。会社代表者からして、チベット旅行の達人であり、いわゆる大出版社の旅行ガイドとは一線を画す内容となっている。現地を一人で旅する人のための情報だ。




posted by 陳ゆう at 02:42 | 雑記帳 個人旅行について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする