2005年08月07日

中国の新聞

中国の新聞を大きく分けると、だいたい3種に分類することができると思う。

1、完全な共産党の宣伝紙。人民日報など。
2、高級紙 東方早報など。
3、大衆紙 新民晩報、青年報など。

このうち、1は普通の人はまず読まない。つまらないからである。
もともと中国の新聞は共産党の宣伝目的のものしかなかった。
たとえば人民日報などの新聞である。以前は誰でも職場などで人民日報に目をとおしてした。
しかし、近年は発行部数自体が激減している。
80年代までは500万部ほどの発行部数があったが、現在は200万部程度に減っているらしい。
上海や北京などの大都市では、いまや普通のひとは誰も読んでいないと言ってよい。

これとは対照的に、一般市民が一番愛読している新聞は3の大衆紙だ。
値段は5角から7角(1角=約1.3円)くらい。
大衆紙というとその品格が問題となるが、中国の大衆紙の品格は、だいたい、日本のスポーツ新聞と一般紙の中間くらい。
内容的には、いわゆる三面記事からスポーツや芸能、そして政治、国際問題など、広くカバーしている。
広告が非常に多く、その広告主もバラエティーに富んでいる。大企業から街の性病専門医院まで、殆ど制限なく何の広告でも掲載される。

これらの大衆紙はまた、反日キャンペーンの事実上の主役でもある。
もともと扇情的な論調の記事が多いので、こういった目的にはぴったりなのだ。
日本のスポーツ新聞や週刊誌が北朝鮮の金正日をボロクソに書き、読者はこれを面白がって読んでいるのと、少し似ている。

中国の大衆紙の記事の論調は、実際、日本のスポーツ新聞によく似ている。
これにはちゃんと理由がある。
中国の大衆紙で一番初めに成功を収めたのは「北京青年報」だと言われるが、「北京青年報」は90年代半ばに日本に何度も調査団を送り、日本の新聞業界の調査をした。その時、もっとも啓発を受けたのが日本のスポーツ新聞だったのだそうだ。
以来、「北京青年報」は太字の見出しで、大きな写真を掲載し、扇情的な体裁をとることとなった。その結果、大成功したのである。
私も、一番よく読むのはこの手の新聞である。

1990年に188万元であった「北京青年報」の売上高が、1995年には8042万元(42倍)という凄まじい伸びを示した。
あまりに凄まじい成功を収めたので、その他の大衆紙も多かれ少なかれ「北京青年報」の影響を受けている。
こういう理由で、中国の一般市民が読む大衆紙は、日本のスポーツ新聞の如くセンセーショナルな構成が多い。
他国の政府をボロクソに書くというのも、日本のスポーツ新聞や夕刊紙と似ている(もっとも、中国の新聞は自国の政府は批判しないので、この点は違っているが)

これが高級紙になると、全体的にかなり冷静なトーンになる。
たとえば、今日の「東方早報」。
広島の原爆慰霊式典の様子が、写真入りで詳しく紹介されてる。
出席した政治家の発言などもちゃんと紹介されている。
この記事を読んでいると、日本の市民や政治家が、第二次大戦の悲劇を繰り返さないよう、平和を願っていることが伝わってくる。
こういう内容は大衆紙では掲載されない。読者が喜ばないからである。
大衆紙においては、日本は軍国主義でなければ読者に受けないのだろう。
こういう所も、日本のスポーツ新聞と似ている。

ただ、日本のスポーツ新聞や夕刊紙は読者にとってあくまで一種の娯楽であって、それが情報収集の主な手段であることはないはず。普通の人は、他にも日経なり、朝日なり、読売なり、毎日なり、ちゃんと一般紙を読んでいる。
こちらではこの種の大衆紙がほぼ唯一の購読紙である人が殆どなので、その点、少し違いがある。

スポーツ新聞の世界観で日本を見てもらってもちょっと困るのだが。
現在の反日キャンペーンは95年頃から始まっているが、キャンペーンのメディアとしては、テレビのほか、この種の大衆紙が重要な役割を果たした。






posted by 陳ゆう at 16:49 | 雑記帳 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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