2005年11月19日

中国で運転免許を取得した話

中国はジュネーブ条約に加入していないので、国際免許証を持っていても中国国内で自動車を運転することはできない。中国国内で自動車を運転するためには、中国の運転免許証を取得する必要がある。
外国の運転免許証を持っている人なら、中国で自動車教習所に通う必要はない。簡単な学科試験だけで中国の運転免許証を発行して貰える。すべての手続きは1日で済み、費用も合計215元と高くない。
中国在住の方は、ぜひ中国の運転免許証(「機動車駕駛証」)を取得されてはいかがでしょうか。
今日、その中国の運転免許証を取得してきたので、顛末をご紹介します。

必要書類

外国の免許証から中国の免許証への書き換えを申請するのに必要な書類は次のとおり。
1)外国の運転免許証
2)パスポート
3)居留証(または臨時居住届)

これらはすべてコピーを提出する必要がある。
さらに(1)の運転免許証については、翻訳文が必要。この翻訳文は警察指定の翻訳会社で翻訳して貰わなくてはならない。実は、これが結構めんどうだ。
指定の翻訳会社は虹口区にある。具体的には、魯迅公園の近く、上海外国語大学の向かいあたり。
上海外国語大学の正門から大連西路を渡ったところに東体育会路という道がある。その道を20メートルほど入ると、右側に大きな門があり、敷地内にビルがいくつか建っているのが見える。
その門を入って、突き当たり左側の建物の2階に警察指定の翻訳会社がある。
入口を入るとカウンターがあるので、「ニーハオ」と言って運転免許証を差し出せば、それだけで要件はわかってもらえる。翻訳文はその場ですぐに作ってくれる。翻訳料金は60元。
翻訳と言っても、あらかじめ「氏名」や「運転免許証番号」「生年月日」などの項目が印刷されている紙に、運転免許証から当該項目を書き写すだけなので、1分もかからない。

ここで必要書類を整理すると。
1)運転免許証(原本およびコピー))
2)運転免許証の翻訳文
3)パスポート(原本およびコピー)
4)居留証(原本およびコピー)
と言うことになる。

申請場所

運転免許証の翻訳が済んだら、次は交通警察の「境外換証」(外国運転免許証からの書き換え)の窓口に申請に行く。
上海の場合、外国人が中国の運転免許証を申請する窓口は地下鉄五号線の春路駅近くの自動車教習所の中にある。
ここは都心から遠いので、タクシーで行くとかなりの金額になる。地下鉄が一番早くて便利だと思う。地下鉄1号線を西の終点莘庄駅で降り、5号線に乗り換える。このあたりは新興住宅地で、まるで田園都市線沿線のような綺麗な住宅地である。
5号線で一駅めの春申路駅で降り、改札を出ると目の前に道路がある。右手の交差点でこの道路を渡る。渡ったら、そのまま50メートルくらい直進すると、左側に大きな門がある。門を入ると広い敷地が広がっている。
門を入ったら、8号と書いてある建物を探す。建物には「境外換証」と大きく書いてある。「境外換証」の窓口はこの建物の2階にある。階段を上がり、廊下を左に進み、突き当りを右へ、突き当たったところが外国運転免許証の書き換えを扱っている部署である。

申請手順

上記の部署に行くと、カウンターに警官が座っているので、持ってきた書類を見せる。全部揃っていることを確認した後、写真撮影と身体検査をしてくるように言われるので、書類を持って今度は11号棟に行く。
8号棟から11号棟へは標識が出ているので、迷わずに行けると思う。

11号棟の1階には入り口が3つある。まず左端の入り口から入る。中には窓口が4つある。一番左側の窓口に必要書類を出すと、パソコンで申請用紙を作ってくれる。
このとき現住所と電話番号を聞かれる。自分の住所を正確に発音できない方は、メモに書いて渡せばよい。

書類を作ってもらったら、それを持って写真撮影の部屋に行く。写真撮影の部屋は先ほどの窓口の左側にある。
ここで写真撮影を担当しているおばちゃんは結構親切で、撮影した写真をパソコン画面に表示して、OKかどうか聞いてくれる。気に入らなければ取り直してもらえる。このあたりは、免許証の写真が囚人のような写りになっている日本の警察にも見習ってもらいたいところだ。
料金40元を払って写真を受け取る。

写真を撮ったら一旦外に出て、隣の入り口を入って身体検査を受ける。身体検査の料金は60元。
まずは視力と色盲の検査から。私は色盲ではないのだが、検査用紙の数字を読んだらなぜか「不対」(違う)と言われてしまった。検査をやり直して、合格にしてもらった。
次の部屋では聴力検査をおこなう。
ヘッドホンを着け、音が聞こえた方の手を挙げるだけの簡単な試験で、10秒くらいで終わる。
最後に突き当たりの部屋で身長と体重を計ってもらい、身体検査合格の紙を発行してもらう。


学科試験

身体検査が終わったら、8号棟の2階に戻り、学科試験を受ける。
事前に中国の交通法規を勉強しておく必要はない。出題される問題と解答は、試験直前に待合室で見せてもらえるからである。これを30分程度で予習してから試験に臨む仕組みになっている。

まず学科試験場の受付に必要書類を提出する。書類が揃っていれば、学科試験の問題と解答が印刷された紙を渡してくれる。全部日本語で書いてある。試験も日本語で出題される。したがって、試験そのものに関しては、語学力の心配は一切要らない。

問題と解答を渡されたら、試験の順番が回ってくるまでの短い時間に、必死で勉強しなければならない。問題と解答は百問分ある。実際の試験でもこれと同じ問題が出題される。なお、この用紙の説明書きには100問中20問を選択して出題すると書いてあるが、実際には100問全部出題される。

この予習時間は30分程度もらえることになっているが、受験者が多く後が詰まっているときには、まだ十分に勉強していないのに受験するよう指示されることがある(私はそうだった)。こうなると不勉強なまま試験に臨むことになる。私は、半分も読まないうちに名前を呼ばれてしまい、かなりあせった。
だから、紙をもらったら、全速力で予習をしたほうがよい。

試験はコンピューター端末でおこなわれる。
私は最初このコンピューターの操作がよく判らなくて時間を無駄にした。現地では説明もしてくれないので、私が説明しておく。
判ってしまえば簡単なのだが、要するに、三択問題に対してA,B,Cのいずれかのキーを押した後、その右側にある「下頁」(次のページ)のボタンを押すと次の問題に進む。「上頁」のボタンを押すと前の問題に戻って訂正できる。

100問中90問正解で合格となる。
私は100問終わった時点で、婦警さんが隣にやってきて、
「修正しなくて良いか?」
と聞かれた。
「大丈夫です」
と答えたのだが、
「本当に修正しなくてよいか」
と、しつこく聞くので、
「今、何点ですか?」
と尋ねたら、
「そんなことは知らない」
と言われた。

これはヤバイと思い、
「修正します!!」
と答えて「上頁」のボタンで問題を巻き戻して見直しをした。
1問修正したら、唐突に、
「90点に達しました。合格です。」
という文字が画面に表示された。合格点に達した瞬間にこの表示が出て、試験が終了する仕組みになっているらしい。さっきは89点だったので、婦警さんが助け舟を出してくれたのだろう。非常感謝!

なお、この学科試験は3時が最終の開始時間である。日本語試験用のコンピュータは1台しかないので、もしも先に日本人が来て待っていたら、仮に2時頃に来たとしても学科試験を受けられない。今日も私の後に来た日本人が追い返されていた。朝イチまたは午後イチに行くことをお勧めします。

運転免許証交付

学科試験が終わったら書類一式を受け取って1階に下り、出納窓口で55元を払って、領収書と一式書類を交付窓口に提出すると、5分も待たずに免許証を渡してもらえる。
これで終わり。実に簡単だ。


感想

今日を境に、私は中国の交通警察が好きになった。
上記の助け舟の件もあるが、ほかにも理由がある。

ちょっとくどい説明になることをお断りしておく。

こちらの運転免許証の有効期間は6年なのだが、その有効期間は、中国の免許証を取得した日ではなく、中国の免許証を取得したの、“本国の”運転免許証発行“月日”から計算される。
つまり、2005年11月1日に中国の運転免許証を取得した場合でも、日本の免許証の発行日付が2002年7月1日であれば、有効期間の起算日は2005年7月1日となり、2011年6月末で期限が切れる。この場合、実際の有効期間は、5年8ヶ月ということになる。

私が窓口に書類を提出したとき、婦警さんが、
初めて運転免許をとったのは何年の何月何日か?」
と質問した。
私が「10年前くらい」と答えると、彼女は手元の用紙に「1995年」と記入した。
続けて、再度、「何月何日か」と聞くので、「たぶん3月の1日か2日くらい」と適当に答えたら、彼女は「3月1日」と記入した。
このとき、私は彼女のやっていることの意味が判らなかった。

私がその意味に気づいたのは、帰りの地下鉄で2枚の免許証(日本のと中国の)を見比べていたときである。

今日は11月15日。
私の日本の免許証は11月18日の発行だった。
もしこのままの日付で処理すると、有効期間は5年+3日間になってしまう。つまり、362日分の損となる。あの婦警さんはその点に配慮して、わざわざ、「初めて免許をとった日」を聞いてくれたのだ。
窓口では無愛想な対応だったが、実は優しい人であった。

そう言う訳で、今日を境に、私は中国の交通警察の悪口を言わないことに決めたのである。




posted by 陳ゆう at 01:54 | 雑記帳 中国の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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