2011年04月05日

新鑑真号(鑑真丸)に乗った話

(2006年5月12日記)

日本と中国の間には客船の定期便がある。
上海と大阪・神戸を2泊3日で結ぶ「新鑑真号(鑑真丸)」、上海・大阪間の「蘇州号」、神戸・天津間の「燕京号」、下関・青島間の「ゆうとぴあ号」など。
いつかどれかに乗ってみたいと思っていたが、なかなか実行できなかった。
今回、思い切って「新鑑真号」(鑑真丸)にチャレンジしてみた。

新鑑真公式サイト

船会社による新鑑真号の公式サイトは以下の2つ。

中国語サイト http://www.xinjianzhen.com/
日本語サイト http://www.shinganjin.com/

日本語サイトには、船内の各船室や娯楽施設の写真も掲載されている。
http://www.shinganjin.com/inboard_info.php

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(クリックで拡大)

豪華客船とまでは言えないが、結構立派な客船だ。


チケットを買う

チケットはホームページに乗っている船会社に直接買いに行く。船会社は13路や922路の終点の提藍橋から歩いて3分くらいのところにある。詳しい場所は上記の船会社のサイトに記載がある。チケット担当のお姉さんは流暢な日本語を話す。
基本的にはいつも乗船率10〜20%程度のガラガラなので、前日に買いに行っても余裕で乗船できるよう。
なお、こんなにガラガラで経営が成り立つのかという心配はいらない。鑑真丸は(蘇州丸も同じだが)基本的に貨物主体の船である。そっちでちゃんと採算が取れているらしい。

貨物と言えば、乗客として船舶を利用する1番の利点は、無料で運んでもらえる荷物の量が多いこと。
新鑑真号の場合、船室持込の30キロのほかに、30キロ×2個の荷物を預けて運んでもらうことが出来る。合計90キロである。これをエアーで運んだらちょっとした金額になる。
なお、規則上は1個30キロ以内と決まっているが、実際には重さを量ったりはしないので、極端に重くない限りはOKのよう。この辺のアバウトさが心地よい。こんなことができるのも積載量に余裕のある船舶ならではだろう。


船室の居心地

上海から大阪まで、一番安い2等船室(洋室)で2泊3日の船旅をした。

料金は片道1300人民元、往復1950人民元。朝食つき。昼と夜は別途お金を払ってレストランで食べる。1食600円くらい。船内には日本製カップめんの自販機もある(200円)。
また、日本製ビールの自販機もある。免税なので日本国内よりも安い。350mlで150円。500mlで200円。
なお、船内では原則として日本円しか使えない。

2等船室は8人部屋。それぞれの寝台についているカーテンを引いてしまえばプライバシーは確保できる。ベッドの広さは鉄道の寝台より広く、のびのび眠れる。シーツも清潔。冷暖房完備。快適だ。
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ちなみに、男女別室。
日本人と中国人を意図的に別室に振り分けているようにも思われた。

少し値段の高い1等船室は4人部屋だけど、実は8人部屋の2等船室と大した違いはない。単に2等船室の窓側ベッドを撤去して、そこに丸テーブルがおいてあるだけのことなので、各人のベッドの実質的な居住性は2等とさして変わらない感じである。
その他、ツインルームの特等室や、スイートルームもあるようだ。この辺になると飛行機と変わらない料金(あるいはそれ以上)となるが、夫婦やカップルで乗ってみると楽しいかもしれない。

一番感心したのはシャワールーム。
男性用だけでも、全部で20近い個室シャワーが設置されている。鑑真丸の定員は324名なので、仮にその半分が男性として、162人で20室だから、1箇所当たり8名という配分になる。乗船客はどうせ皆1日中暇なので、十分な数と言えよう。

なお、定員は324名であるが、学生の多い夏休期間中を除けば、普段は男女合わせて20〜40名程度の乗客しかいないので、更にゆったりしている。
そのうえ、このシャワーのお湯の出が素晴らしく良い。
でっかいボイラーで沸かした湯だと思う。湯量が豊富なので、自宅のシャワーより気持ちよい。

シャワールームには洗濯機2台と乾燥機2台も設置されている。

船内の散歩に退屈したら、各船室やロビーのテレビでNHKのBS放送を見ることができる。2日目の夕方からは日本の地上波テレビ(鹿児島や四国のテレビ局)も写る。


この日の乗客は、日本人と中国人と半々くらいだったと思う。
日本人は20代から30代の社会人の男性が多い。年配の方も数名。その他、20代の留学生が2人。

中国人は、子供連れのお母さんが目立った。小さな子供を連れての里帰りの帰路のよう。子供は国籍など関係なく、会ってすぐに仲良くなる。よって、ずっと5、6人の子供が船内を走り回っていた。しかし広いので別に迷惑ではない。

その他、研修生として日本に行くらしい20歳前後の女の子が数名。
日本人も中国人も皆ちゃんとした人たちだったので、不愉快な思いをすることはなかった。


旅の写真

新鑑真号(鑑真丸)の旅の写真を少しだけ紹介する。
埠頭を離れた鑑真丸は、まずタグボートに手伝ってもらって180度ターン。船首を川下に向けて、長江に向かって黄浦江を下ってゆく。

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黄浦江を下る新鑑真号

いつも見慣れている汚れた黄色い水の上を、新鑑真号は進んでいく。
ちなみに、誤ってこの川に落ちると水銀中毒で2分で死ぬという噂があるが、以前、落水した人が救助されたと言うニュースを見たことがあるので、これは多分デマだと思う。

出航後2時間くらいで長江との合流地点に着く。

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長江合流地点

船で下ってみると、上海港はかなり内陸に入り込んだ港であることがよくわかる。
長江との合流地点から先も、海に出るまで更に3、4時間かかる。合計すると上海の中心部から海まで船で5、6時間もかかる。
1日目は茶色い水を眺めているうちに暗くなってしまう。


東シナ海を進む

2日目の朝、目覚めると海は青く変わっていた。すでに東シナ海の真ん中である。360度、水平線しか見えない。
この日は風が強烈で、デッキに立っていると海まで飛ばされそうで怖かった。
それでも船は多少横揺れする程度で安定している。歩いていると少しよろける程度。

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水を分けて進むへさき

このくらいの大きさの船になると、ゆっくりしたゆれはあるものの、内航船のような頼りなさはなく、しっかりしている。
上部甲板に立って船首方向を見ると、うねりながら波立つ海を背景にして、へさきだけが存在感を持って見える。

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2日目の午後には鹿児島の沖に到達した。
佐多岬を通過して、四国沖へと進む。

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佐多岬の灯台

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夜のデッキ


3日目の朝目覚めると、すでに瀬戸内海を航行している。
大阪港の一番先端のフェリーターミナルに到着する。

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大阪港へ入港


全体の感想

新鑑真号に乗船した感想を一言で言えば、「ゆったり」というに尽きる。
ロビーも、食堂も、広々としている。
船室の廊下は、幅1.5メートルくらいある。トイレも公共施設のトイレと同じような広さがある。
スペースのとり方が贅沢なので、乗り物に乗っている気がしない。ビルがそのまま移動しているような感じ。揺れさえなければ、ホテルに泊まっているのと変わらない。

この「ゆったり感」が船旅のよさなのだろう。




posted by 陳ゆう at 12:58 | 乗り物 新鑑真号 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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