2013年05月22日

銀川の街 雑感

銀川の街を散策。
銀川は、寧夏回族民族自治区の中心都市。「民族自治区」という名称のついた行政区分は中国にたくさんあるが、「省級」つまり、日本でいえば都道府県にあたる「省」と同格の「民族自治区」は5つだけ。回族のほかには、ウイグル族、チベット族、モンゴル族、壮族の各民族自治区。

ちなみに、回族(イスラム教徒)の民族自治区といっても、寧夏回族民族自治区の人口の3分の2を占めるのは漢民族。中国版Wikipediaには、寧夏回族民族自治区の人口構成について「主体民族:漢族、少数民族:回族」とにべもない説明がされている。

ちなみに、中国の5つの省級の民族自治区のうち、漢民族が「少数民族」である自治区はチベット自治区(漢民族は人口の7%)と新疆ウイグル自治区(41%)の2つ。内モンゴル自治区(79%)や広西壮族自治区(62%)では、モンゴル族や壮族は少数民族である。

もっとも、少数民族とは言っても、寧夏民族自治区の人口は600万人を超えるから、その3分の1でも200万人という数になる。決して「少数」ではない。「少数民族」というのはあくまで漢民族と対比しての相対的な物言いだ。

よって、銀川の街では、イスラム教徒に対する商売は大きなマーケットを持っていることになる。たとえば、台湾系の食品巨大企業「康師傅」のカップラーメンも、ここではイスラム教徒向けの特別バージョンになっている。写真の「清真」というマークは、イスラム教の教義に反しない食品であるという意味。

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話はそれるけれど、日本人は、中国では少数民族は漢民族から非常な迫害を受けてるかのようなイメージを持っている人が結構いる。しかし、実態は、そうでもない。国家の統治権に対する異議を述べたり、あるいは行動を起こさない限りは、少数民族はそれなりに大事にされているというのが素朴な印象である。

たとえば、さきほどの、「清真食品」。イスラム教徒は豚肉を食べることができない。中国の大学に留学した経験のある人はみな知っていると思うけれど、どの大学にも、大きな学生食堂のほかに、清真餐庁(イスラム食堂)がある。人口の2%程度のイスラム教徒のために、スペースと人を割いて食堂を設置している。少数民族はさらに、大学入学試験での優遇や、計画生育政策(一人っ子政策)に関する特例など、人生の節目節目で、相応の特別扱いを受けている。
これを懐柔政策であると紋切り型に評する向きもあろうけれど、生活保護費(シットダウンマネー)のように何もせずに受給できるものではなく、あくまでも自ら努力する者を補助する政策になっている点は正当に評価してもよいと私は思う。

銀川の街には、当然ながら、清真餐庁(イスラム食堂)がたくさんある。せっかくなので、目についた店に入り、メニューの一番上にあった牛肉麺を注文してみた。6元。結構おいしい。この麺、私が中国で食べたすべての麺の中で、もっとも日本のラーメンに似た味と食感を持っていた。なにか歴史的な関連性があるんだろうか。

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街では、看板に「漢餐」と書いてある食堂も見かける。こちらは、たぶん、豚肉を食べられるんでしょう。

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銀川の都心部は、人口600万人の自治区の首府にふさわしく、商業の発展した賑やかな街。大型のデパートが立ち並ぶ。一般の商店や飲食店もたくさんある。

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地下鉄はないけれど、名古屋の基幹バスのような道路中央の専用レーンを走るバスがある。道路中央付近にはこのバスに乗降するためのシェルターのようなバス停がある。各バス停には2人ずつ駅員(バス停員)がいて、バスが到着すると手動で乗降用の扉を開けてくれる。ずいぶん立派なシステムだ。

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このほかに一般の路線バスもあり、その運行頻度は非常に高い。ただし、夕刻にはものすごいラッシュになる。

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銀川にホテルをとるなら、空港バスの発着点となっている民航大厦あたりが便利だと思う。

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銀川に来た観光客なら誰もが足を運ぶ南関清真大寺まで徒歩数分。広い南門広場には夜店が出て、深夜まで人通りが多く、安心感がある。空港バス発着所の周囲には中級のホテルがたくさんあり、宿を探すのも容易。

南門広場のはずれには、小型の天安門のような建物が建っている。本物と同じように毛沢東の肖像が掲げられている。しかし、門に書いてあるフレーズは本物の天安門とは違っている。
ここに書いてあるのは「中華人民共和国万歳」と「中国共産党万歳」。
北京の天安門に書いてあるのは「中華人民共和国万歳」と「世界人民団結万歳」。
外国人観光客の数の違いが反映されているのか。

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夜は、ニセ天安門の前の広場に衣料品などを売る夜店がたくさん出る。露店の飲食店もある。席があいていたので、入ってビールを注文した。ビールはもちろん「西夏ビール」。つまみは近所のDICOSで買ってきたフライドポテト。写真が傾いているのは酔っていたからである。

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posted by 陳ゆう at 00:24 | 旅の記録 西夏王陵 / 銀川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月20日

銀川 南関清真大寺

銀川市内にはさしたる観光スポットはないが、せっかくイスラム教徒の自治区に来たのだから、有名な南関清真大寺だけは見に行った。場所は、空港バスの終点である民航ビルから徒歩数分のところ。

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創建は明代に遡るが、文革の時代に破壊されたので、今の建物は1981年に再建されたもの。礼拝堂にはイスラム教徒以外入れないが、敷地内には入場料を払えば誰でも入れる。
入場料の窓口には「入場料12元、優遇価格10元」と書いてある。優遇してもらえる身分ではないので12元を差し出したら、入場料は10元であるとのこと。他の方の旅行記を見ても、同じくなぜか10元しか請求されなかったと書いてある。ならば最初から「入場料10元」でよいと思うのだが。もしかすると、何やらイスラム式の考え方があって、こういう聖なる場所では価格を優遇すべきものである、ということになっているのだろうか。そのための「定価」と「優遇価格」であるとか・・・

門を入ると中庭があり、その先の階段を上がったところが礼拝堂。

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礼拝堂の入口には、礼拝の時間を示す時計が設置されている。

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この日の夜、南関清真大寺の前をとおりかかったら、華やかな電飾が施されていた。日本人はこういうのを好まないかも知れない。しかし、信仰が生きている寺院というのはこういったものだ。多くの日本人が古びた寺院をありがたがるのは、風俗習慣のレベルでしか信仰をとらえていないからである。銀川のイスラム教徒にとって寺院は「文化財」ではない。

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と、ここまで書いてきて気がついた。
上の写真の「銀川南関清真大寺」という電飾のうち、2文字はネオンが切れていて、「●川南●清真大寺」になっている。大雑把な保守ぶりだ。

南関清真大寺の外壁1階部分には多くの店舗が入居している。羊を吊して売る店とか、イスラム用品の店など。帽子や衣装などのほか、土産用の小物もたくさん置いてある。

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その他の銀川市内の観光地は、たまたま通りかかったもののみ、見てきた。

鼓楼は保守工事中だった。

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17路のバスから見かけた承天寺塔。この塔に上ると銀川市内が一望できるそうだが、私は高いところが苦手なのでどうせ登ることはできない。バスの窓から見上げるだけで十分。

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posted by 陳ゆう at 00:30 | 旅の記録 西夏王陵 / 銀川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月11日

西夏王陵 2 銀川からの行き方


銀川市内から西夏王陵への行き方について、まとめておきます。

(オンシーズンにいく場合)

5月〜10月初旬の観光シーズンには、銀川市内の新月広場から西夏王稜まで、観光客用のバスが運行されている。平日は午前に1往復(往路9時頃、復路12時頃、正確な時間は要確認)、週末は午前午後それぞれ1往復づつある。料金は片道8元。所要時間は1時間以上。
運行期間は年によって違うので要確認。下の写真の看板に問合せ電話番号が書いてあるので、クリックして拡大してみてください。

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(オフシーズンに行く場合)

オフシーズンに西夏王陵に行く方法を2つあげておきます。

1.タクシーの利用

観光用のバスが運行されていない期間に西夏王陵に行く場合、市街地からタクシーで西夏王陵まで行き、帰りは現地の駐車場にたむろしている白タクで市街地まで戻ってくるのが無難な方法だと思います。料金は片道100元が言い値。カルテル価格なので交渉しても多分まかりません。バスで片道1時間以上かかる道程なので、観光地価格としてはまあ許せる範囲ではないかと思います。

2.17番の路線バスで途中まで行く方法

「地球の歩き方」には、町外れの「西夏広場」からタクシーで10元程度で西夏王稜まで行けると書いてあります。私はこれを信じて「西夏広場」まで行きました(なお、銀川には「西夏広場」とは別に「西夏公園」というのもあり、紛らわしいので要注意)。
市街地から西夏広場まで17路の路線バスで1時間と少し。2元。途中で退屈して居眠りしているうちに、終点の西夏広場に到着。

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ところが、西夏広場の周囲は林や果樹園や平野が広がっているだけで、流しのタクシーなどどこにもいない。「終点です」と有無を言わさずバスを降ろされたあと、しばし呆然としてしまった。
ここから西夏王稜まで歩いていくか・・・。地図上で測ると西夏王陵まで約7.7km。新宿駅から目黒駅までの距離に相当する。歩くにはちょっと遠い。
西夏王陵への道路はこんな感じで、写真で見ると林の中の散歩コースのように見える。しかし実際は、大型トラックがびゅんびゅん走る歩きにくい道です。危険です。そのうえ、ひたすら真っすぐで、景色の変化もほとんどない。

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いっそのこと乗ってきたバスで市街地に戻り、タクシーを拾って出直そうかと思っていたところに、対向車線を1台の空車のタクシーが走ってくるのが見えた。ダッシュで道を渡りながら大きく手を振って止めた。
西夏広場のバス停の200メートルくらい先に人民解放軍の空軍基地があり、軍関係者を基地まで乗せてきた帰りの車らしい。

西夏王稜に行きたいというと、OKとのこと。吹っかけられることもなく、ちゃんとメーターを倒して目的地まで連れて行ってくれた。平原の1本道をぶっとばして5分程度。運賃はメーターでは13.3元。請求は13元。観光地のタクシーとは思えない良心的な仕事ぶりである。
もっとも、西夏王稜の駐車場で私と入れ替わりに乗車した中国人夫婦は、西夏広場まで20元だと言われていた。私は路上で乗ったので観光客価格にならなかった、ということのよう。

なんとかたどり着くことができました。

お金を節約するには、この17番の路線バスとタクシーを併用する方法がよろしいかと思います。
以下、少し詳しく説明を書いておきます。

17路のバスは東西に長い銀川の市街地を横切って走るので、いろいろな場所から乗車できる。私は、繁華街の「新華百貨」というバス停から乗車しました。

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17路の路線図は下のリンク参照。

http://yinchuan.8684.cn/x_4177a33a

17路のバスを終点の西夏広場で降りたら、その先は公共交通機関はありません。タクシーか徒歩かヒッチハイクになります。お勧めはもちろんタクシー。しかし、流しのタクシーなんてここにはいません。

バスを降りたらそのまま直進すると、突き当たりに空軍基地の正門があります。その門の手前で、軍関係者を乗せてきたタクシーの帰りの空車を待つのがよろしいと思います。
空軍基地のまん前なので、ボーと立っているだけでも、兵隊がガンを飛ばしてきます。間違っても、カメラを出して周囲の景色など撮影しないように。
Google mapで見ると、空軍基地は地図には出ていませんが、表示を写真に切り替えると滑走路が写っています。



なお、待っていても、必ずタクシーがつかまるとは限らりません。その場合は、ヒッチハイクをするか、覚悟を決めて徒歩で向かうことになります。徒歩は・・・かなりつらいと思います。7.7kmという距離はともかくとしても、大型車が多く、歩きにくい道です。


帰路:西夏王陵から市内への帰り方

帰りは、西夏王陵の駐車場にたむろしている白タクと交渉して20元で西夏広場まで乗せてもらい、17路のバスで市街地に戻るのがお勧め。

ただし、西夏王陵で客待ちをしているタクシーや白タクは、全員が銀川市街地への長距離(カルテル価格は100元)の客を狙っているので、中途半端な西夏広場まで行ってくれる車が見つかるかどうかは微妙。
もしも見つからなかったら、通りまで出てヒッチハイクか、または、徒歩で西夏広場まで戻るしかありません。

西夏広場までの短距離を走ってくれるタクシーが見つからなかったら、すなおに100元払って銀川市街地まで送ってもらうのがよいと思います。バスで1時間以上かかる距離なので、日本円で1250円程度ならば許せる範囲でしょう。中国人観光客を載せるときの価格も同じ100元です。


補足:銀川空港の空港バスについて

銀川空港と市街地を結ぶバスについて書いておきます。
銀川河東空港は市街地からはかなり離れているが、飛行機の便にあわせて都心部の南門広場の近くの民航大厦からバスが出ている。20元。30分に一本程度。所要30分くらい。
空港から銀川市内に向かう時は、到着ロビーから外に出て左端にバス乗り場がある。このバスは、飛行機がある限り深夜でも運行される。中国のBBSを見ていたら、飛行機が遅延して銀川空港に深夜1時30分に着いたが、バスはちゃんと待っていた、と書いてありました。

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銀川の空港の名称は「銀川河東空港」。この「河」は黄河のこと。銀川に着陸する飛行機は、黄河の上で90度旋回して、黄河に沿って空港に向かう。

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河東空港と市街地の間で、黄河にかかる橋を渡る。水の色はこのあたりですでに茶色い。

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posted by 陳ゆう at 00:07 | 旅の記録 西夏王陵 / 銀川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする